2011年8月27日
第2回ファーストアクションミーティング
「伝えよう、とことん話そう、次の一歩につなげよう」
8月27日(土)に開催した「第二回ファーストアクションミーティング。
前回に引き続き約120名の方々が参加してくださいました。
お越しくださったみなさま、ありがとうございました。
今回は、8月1日に行われた「第一回ファーストアクションミーティング」で出された議題を進めていくべく、
具体的に話し合いを持つことができました。その模様を、一部ご紹介させていただきます。
* * * 午前の部 * * *
午前の部では、各方面で活動されている下記の方々から、ご報告をしていただきました。
■古田直之さん(郡山市 小学校教師)
郡山市の小学校で、日々生徒たちと真剣に向き合っている古田さん。
過酷な環境の中でも、強くたくましく生きようとしている生徒の作文を朗読してくださり、
思わず目頭が熱くなる瞬間も……。
会場中の人たちが、改めて「子どもたちを守らなければ!」と決意を新たにするキッカケを与えてくださいました。
■北野ゆりさん(京都避難者サポートネットワーク)
京都で避難者の支援をしていらっしゃる北野ゆりさん。
最近、福島から京都に避難されたママさんのひとりが、無事元気なお子さんを出産されたとのこと。
ひとり一人の力は微力でも、たったひとつの“命をつなぐ”ということの尊さを、
再認識できるお話しを聞かせてくださいました。
■吉田邦博さん(南相馬・安心安全プロジェクト)
南相馬で除染活動を行っている吉田さん。
「除染をしても、ある一定のところから線量は下がらない。 除染作業は、避難が必要なんだってことを
分かってもらうためにやっているようなものです」とおっしゃった言葉が印象的でした。
■岩田渉さん(市民放射能測定所CRMS 理事)
福島市で市民放射能測定所を運営していらっしゃる岩田さん。
特に心配されていたのは、子どもたちの給食のこと。
「この状況で、地産地消を推奨することは犯罪的な行為。外部ひばく値の高い福島の子どもたちは、
西の安全な食べ物を給食に採用することで、内部被ばくゼロを目指さなくてはならない」とお話しされました。
また今後、子ども全国ネットで資金面や情報のサポートしつつ、CRMSが技術面のサポートをして
全国に市民放射能測定所の設置を支援していくとのこと。ただいま、測定器購入のための募金を受付中です。
[食品測定所設置のための募金受付中]
http://kodomozenkokunet.sblo.jp/article/47612606.html
■花村健一さん(Save kids江東 放射能から子どもを守る会)
江東区で自治体への陳情活動を続けている花村さん。
これまでの経験を踏まえ、効果的な陳情・請願の方法についてお話ししてくださいました。
「行政交渉は、今日明日すぐに解決できる問題ではないが、腹を立てずに気長にやっていくこと。
地道に一歩一歩進んでいくしか、私たちに道はない」と、力強い決意を述べてくださいました。
■SAY- Pease PROJECT 隅田聡一郎さん
内部被ばく防護の活動に取り組んでいる隅田さん。
「現在政府は、低線量・内部被ばくに関して、ほとんど考慮していない。
これは、かつての水俣病と同じだ」と、批判。
「今後は、子ども全国ネットで“子どもの独自食品基準値”を設定し、私たちひとりひとりが、
食の安全・内部被ばく軽減を求めて取り組んでいきましょう」と、ご提案してくださいました。
午前の部での話題提供者の方々のスピーチを、USTREAMで配信いたしました。
録画をアーカイブでご覧いただけます。ぜひご覧ください。
http://www.ustream.tv/channel/first-action827
* * * 午後の部 * * *
午後の部では、『安全な食を考える3者テーブル』と題して、
独自に放射能測定をすすめている食品の流通業者さん5社にお集まりいただき、話し合いの場が持たれました。
この話し合いの目的は、流通業者、生産者、そして私たち消費者の3者が顔を合わせ、腹を割って話し合うことで問題点や悩みを共有し、“食の安全”を守るために、共に何をすべきなのか、を語り合おうというものです。
この日参加してくださったのは、ナチュラルハーモニー、ポラン東京ひろば、GAIA、らでぃっしゅぼーやなど4社。
急な呼びかけにもかかわらず、快く応じていただき本当にありがとうございました。
話し合いの中では、食の安全を守るための各社の取り組みはもちろんのこと、福島などの生産者さんとの関わり方についても、お話しがでました。なかには、これまで契約していた福島の生産者さんとのつながりを一切断ち切らずに、野菜をこれまで通りに買い上げ、きちんと検査した上で安全が確認されたものに関してのみ、「社内の人間が食べている」とおっしゃっていた流通業者さんもあったほか、生産者さんが安全な農地へ移住できるよう手助けをしている、という流通業者さんもいらっしゃいました。そんな涙ぐましい努力に、本当に頭が下がる思いです。責められるべきは、決して生産者さんや、流通業者さんではないのです。きちんと補償をして、生産者の方が「安心・安全」な食べ物を提供できるよう支えていくのが、私たち消費者の役割なのでしょう。今後も、こうした話し合いは続けていく予定です。
* * *
また、休憩をはさんだ後は、各プロジェクトごとに分かれて、活発な議論が行われました。その一部をご紹介します。
<食品計測チーム>
岩田さんによる計測のデモンストレーションが行われました。
この日、計測したのはコンビニの焼き肉弁当。幸いなことに放射性物質はほとんど検出されず、一同ホッと一安心。
<給食他、学校対応チーム>
2学期の始業を前に、給食の安全をどう守っていくかが課題。まさにこれからが正念場で、話が尽きない様子。
<福島の現地支援チーム>
福島を離れられない人たちのために、気軽に集まって情報交換できるサロンの設置を模索中。
<自治体、請願チーム>
まずは、父母同士の温度差を埋めるために茶話会などの場を設け、世論を高めていくこと。さらに地域の高齢者の方々の力を借りることも重要との意見。
<食の安全・子ども独自基準チーム>
子ども全国ネットの独自基準として、「子ども4ベクレル、大人8ベクレル」を打ち出してはどうか、という案が出されました。
<計測チーム>
ガイガーカウンターの正確な使い方が分からない、という方へのレクチャーおよび、各地域でのネットワークづくりなどが進んでいるようです。全国ネットでは地上5㎝50㎝放射線計測NETと連携して、市民により都内の計測マップづくりを進めています。 関東近県との連携もはじまりました。
http://sites.google.com/site/5cm50cm/
現在、全国ネットのホームページをリニューアル中です(来週には公開予定です)。
各プロジェクトの活動につきましては、ホームページリニューアル後に詳細をお知らせします
。
* * *
活発な議論が行われた8月27日の第二回ファーストアクションミーティング。
給食対策、収穫期を迎えた米の問題、行政との交渉、食の検査体制、がれき問題、そして避難解除が始まってしまい、保養の夏休みも終わってしまった福島のこれから。。。
急がなくてはいけない課題が山積みですが、今回のミーティングでさらに繋がりも増え、具体的なアクションアイデアとそれを進めていく形も見えてきました。
今後の予定としては、9月中に各プロジェクトごとのミーティングを開き、具体的な活動を進めていきます。
そして10月初旬に、それまでの成果の報告をかねて全国ネットワークミーティングを開催する予定です。
(先刻告知しておりました9/19日開催予定だったネットワークミーティングは中止になしました。次回日程と場所は調整中です。)
随時、ブログにて情報をアップしていきますので、みなさまご確認くださいね。
最後になりましたが、当日のカンパには¥34,310円集まり、募金付き缶バッチの売り上げが¥11,700でした。
みなさまの暖かいご支援に深くお礼申し上げます。
少しずつ盛り上がりを見せている、「子どもたちを放射から守る全国ネットワーク」。
同ネットワークは、「放射能から子どもを守りたい!」というみなさんひとりひとりが参加し、つながり、活用し、そしてアクションにつなげるためのネットワークです。
ぜひ、みなさまお一人おひとりでが、「今、自分にできる事」「今後、実行していきたいこと」をこの場で発信し、多くのみなさんの力を合わせて、実現につなげていきましょう。